※ポスターPDF(661KB)印刷用 (裏面は参加申込書です)
【趣旨】
鹿児島県では、11活火山があり、それぞれの火山活動の高まりや噴火に対して、警戒避難対応や応急対策および復旧等、即時的な防災対応の必要性にしばしば迫られている。特に諏訪之瀬島、口永良部島、薩摩硫黄島等のような「島しょ型火山」では、海に隔てられている地理的特性から、避難行動、支援者・救助者等の編成、支援物資運搬、通信等にさまざまな制約がともない、内陸での火山防災とは異なる対応が必要である。
この「島しょ型火山」である口永良部島新岳が2015年5月29日9時59分に爆発的に噴火し、火砕流が前田集落近くまで流下した。気象庁では噴火警戒レベル運用後初めて最高レベルの「レベル5」まで引き上げ、これを受けて屋久島町では口永良部島全域に避難勧告および避難指示を発表した。口永良部島島民は、番屋ヶ峰等に一時避難したが、町営フェリー「太陽丸」や海上保安庁巡視船や鹿児島県消防防災ヘリコプター等で82世帯137人の島民全員が口永良部島を脱出し、当日夕方から屋久島町宮之浦地区の避難所等での避難生活をはじめた。
鹿児島大学地域防災教育研究センターでは、発災翌日の30日以降、総合防災分野担当教員を屋久島に派遣し、避難生活の改善や応急仮設住宅の供給にかかわる「災害応急対策支援活動」を行ってきた。また、今回の災害での被災者支援の検証にかかわる研究や、口永良部島の復旧・復興の支援にかかわる研究についても同センター兼務教員を中心に精力的に実施してきた。
これらの支援活動および応急対応・復旧・復興にかかわる研究は、地域防災教育研究センターの平成27年度国立大学法人運営交付金特別経費(プロジェクト分)‐地域貢献機能の充実「南九州から南西諸島における総合的防災研究の推進と地域防災体制の構築」における「プロジェクト研究」によって遂行されたものであり、本センターの設立目的の「応急対応、災害復旧・復興などの地域防災に係る課題の解決」を「口永良部島2015年噴火に係わる災害」に対して実践し、屋久島町を始めとする「地域」に貢献できた顕著な事例群ともみなすことができる。
そこで、本報告会では、第一部でこの支援活動について報告するとともに、第二部での応急対応・復旧・復興の支援にかかわる研究の成果についても紹介したい。そして、口永良部島の復旧・復興において、「地元の大学」である鹿児島大学が継続的にできる支援活動のあり方を考える契機ともしたい。
口永良部島2015噴火災害対応報告会
-応急対応・復旧・復興にかかわる支援活動と研究-
【日時】平成28年6月4日(土)13:30~16:30
【場所】鹿児島大学稲盛会館 (鹿児島市郡元1-21-40 郡元キャンパス)
【主催】本学地域防災教育研究センター
【後援】屋久島町
<プログラム> 総合司会 地頭薗 隆(農学系教授)
開会挨拶 13:30~ 住吉 文夫(鹿児島大学研究担当理事)
基調報告 13:35~
「口永良部島新岳噴火災害の概要と復旧・復興での鹿児島大学への期待」
森山 文隆(屋久島町総務課長)
第1部 支援活動およびその検証等にかかわる研究報告 司会 黒光 貴峰(教育学系)
14:00~
「口永良部島新岳噴火災害での応急対策・復旧策立案にかかわる支援活動とその検証」
岩船 昌起(地域防災教育研究センター)
14:30~
「口永良部島新岳噴火避難者への運動及びレクリエーション活動による健康づくり支援の効果についての研究」
福満 博隆・長岡 良治・川畑 和也(教育学系)
-休憩-
第2部 応急対応・復旧・復興の支援にかかわる研究報告 司会 西 隆一郎(水産学系)
15:10~
「口永良部島新岳噴火の被災者支援における保健師の役割」
丸谷 美紀(医学系)
15:35~
「口永良部島における防災Wi-Fiステーション整備モデル」
升屋 正人(学術情報基盤センター)
16:00~
「歴史災害を防災に活かす」
佐藤 宏之(教育学系)
閉会挨拶 16:25~ 浅野 敏之(地域防災教育研究センター長)
【お申込み・お問合せ先】
※参加をご希望される方は5月31日(火)までに、「参加者氏名」「所属」「連絡先(E-mail・電話番号等)」をE-mail又はFAXでご連絡ください。 当日参加も可能ですが、会場や資料準備のため、できるだけ事前にお申込みください。
鹿児島大学地域防災教育研究センター
TEL 099-285-7234(直通)
FAX 099-285-8495
e-mail:bousai@kuas.kagoshima-u.ac.jp
http://bousai.kagoshima-u.ac.jp/