鹿児島大学地域防災教育研究センター(Research and Education Center for Natural Hazards)

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「口永良部島2015噴火災害対応報告会」を開催

2016-06-14

2016年6月4日(土)稲盛会館にて、鹿児島大学地域防災教育研究センター主催、屋久島町後援で「口永良部島2015噴火災害対応報告会-応急対応・復旧・復興にかかわる支援活動と研究」が開催された。

まず、開会挨拶と基調講演が農学系の地頭薗隆教授の総合司会で行われた。

開会挨拶では、本センターの浅野敏之センター長が、南九州から南西諸島にかけて11活火山が存在する鹿児島県の地域性と「島しょ型火山」への防災対応の難しさに言及し、2015年5月29日の口永良部島噴火にかかわる災害での対応が他の火山地域も含めて今後の対応のあり方を検討する重要な事例となることが指摘された。

基調講演として、屋久島町総務課の森山文隆課長が「口永良部島新岳噴火災害の概要と復旧・復興での鹿児島大学への期待」と題して、「口永良部島新岳噴火」にかかわる災害の概要と屋久島町を中心とした応急対応について報告した。そして、気象庁で噴火警戒レベル運用後初めて最高レベルの「レベル5」まで引き上げることとなった2015年5月29日の爆発的な噴火時に口永良部島でスムーズな避難が成功した理由として、2014年8月3日噴火時の避難行動での経験が生かされたことに注目し、口永良部島島民が2014年噴火時を顧みて消防団を中心に自ら避難計画を組み直し、以降も避難訓練をしっかりと実施して次の噴火に備えていた事実を強調した。噴火警戒レベル5が継続し、前田地区が依然として「警戒が必要な範囲」であるものの、全国の方々からのご支援に感謝しつつ、口永良部島の復興を着実に成し遂げていく意思が表明された。

次に、「第一部 支援活動およびその検証等にかかわる研究報告」が教育学系の黒光貴峰准教授の司会で行われ、本センター特任教員および兼務教員らによる発表が2件あった。

本センターの岩船昌起 特任教授は「口永良部島新岳噴火災害での応急対策・復旧策立案にかかわる支援活動とその検証」と題して、次の内容を報告した。
<概要>噴火翌日の5月30日から屋久島に入り、避難所の運営、仮設住宅の建設と入居や生活のあり方などついて屋久島町や避難者などに助言した。応急対策や復旧策にかかわるそれらの助言内容および2015年7・8月に実施した避難者の生活にかかわるアンケートの結果について考察した。

教育学研究科大学院生の川畑和也氏が発表者(福満博隆・長岡良治・川畑和也)を代表して登壇し、「口永良部島新岳噴火避難者への運動及びレクリエーション活動による健康づくり支援の効果についての研究」と題して、次の内容を報告した。
<概要>口永良部島住民には避難生活中に生活習慣の悪化や体力の低下が見られたが、今回行ったレクリエーション活動を取り入れた健康づくり支援によって、参加者自己の健康意識や運動意欲が高まり、運動実践者の割合も増加した。

そして、「第二部 応急対応・復旧・復興の支援にかかわる研究報告」が水産学系の西隆一郎教授の司会で行われ、本センター兼務教員による発表が3件あった。

医学系の稻留直子助教が発表者(丸谷美紀・兒玉慎平・日隈利香・森隆子・稻留直子)を代表して登壇し、「口永良部島新岳噴火の被災者支援における保健師の役割」と題して、次の内容を報告した。
<概要>小規模離島の被災者支援において保健師は、平常時の住民の生活・健康状態・ネットワークを踏まえ、地域性と災害の特性に即して、県と町の機能を補完し合あい、島民が望む生活の復元・復興に向けて、島民自身の力も活かしつつ組織的に取り組むことが求められる。課題として、日常業務の支援を災害支援に位置づける、交通や資源の限界を考慮する、専門性向上に向けた現任教育と災害時の体制、がある。

学術情報基盤センターの升屋正人教授は「口永良部島における防災Wi-Fiステーション整備モデル」と題して、次の報告を行った。
<概要>無線LANを用いたインターネット接続サービスであるWi-Fiは災害時の情報収集、情報発信に有用である。ほかの地域での事例や口永良部島の情報通信基盤の現状を踏まえると、口永良部島における防災Wi-Fiステーションの整備には中継回線に無線通信を用いる方法が適している。

教育学系の佐藤宏之准教授は「歴史災害を防災に活かす」と題して、次の報告を行った。
<概要>災害発生後、時間の経過のなかで人間や地域社会がどのような被害や影響を受け、どのように乗り越えていったのか。本報告は、過去の災害記録、体験談を紐解くことで、具体的になにをすべきかイメージすることが可能となり、それが防災意識の醸成へとつながることを指摘した。

本報告会では、総合討論の時間などを設けなかったものの、それぞれの発表の最後に時間を設けて質疑応答や意見交換がなされた。また、本センターの下川悦郎 特任教授が閉会挨拶の中で「口永良部島2015噴火にかかわる災害」に対して本センター教員が貢献してきた支援活動や研究を総括し、今後、口永良部島の災害復旧・復興に関連して引き続き支援活動および研究活動を展開していく必要性が確認された。
本報告会には、防災関係者だけでなく市民のみなさまも多く参加して下さり、報道関係機関も6社6名も含めて、117人の参加者数となった。

なお、本センター特任教員および兼務教員による報告の資料は、平成27年度報告書に挙げられた内容を基本にしております。詳細を知りたい方は、下のリンクからご参照ください。

 

文責 岩船昌起

 【開会挨拶】

 

 

 

 

 

【開会挨拶の様子】

【講演の様子①】

 

 

 

 

 

 【講演の様子①】

 【講演の様子②】

 

 

 

 

 

 

【講演の様子②】

【講演の様子⑤】

 

 

 

 

 

【講演の様子③】

 

 

 

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