2020年12月6日(日)、「今村明恒誕生150周年記念講演会:地震学の先駆者今村明恒と鹿児島の防災」を開催しました。今村明恒(あきつね)は、鹿児島市出身で大正から昭和にかけて地震学の先駆者として活躍しました。この講演会は、今村明恒の功績と、その功績が地域防災に役立っていることを、地元の人に知ってもらうことを目的として開催されました。
当初は稲盛会館での開催を目指して準備していましたが、新型コロナウイルス感染拡大の状況が悪化したため、オンラインに切り替えました。そのため鹿児島の地元市民の皆様に加え、全国のほうから参加があり、約120人の参加となりました。
世話人の小林励司准教授による開会の挨拶のあと、まず名古屋大学の武村雅之特任教授による特別講演「今村明恒と日本の地震学―”震災予防”を終生つらぬいた地震学者」で、今村明恒の功績が詳しく紹介されました。今村明恒が、副題にあるような「震災予防」を目指していたことがよく分かっていただけたのではないかと思います。休憩をはさんで、次に鹿児島大学の井村隆介准教授による講演「過去の噴火に学んで備える―桜島火山の歴史時代の噴火」があり、桜島の噴火について過去の史資料から得られる教訓を示していただきました。最後に鹿児島大学の小林励司准教授による講演「1914年桜島大正噴火で発生した大地震」があり、今村明恒の功績をはじめ過去の記録が現在の防災研究につながることが示されました。講演終了後、参加者から多くの質問をいただき、活発な意見交換が行われました。最後に、寺本行芳地震火山地域防災センター研究推進部門長の閉会挨拶で締めくくられて終了しました。
