5月23日(木)、鹿児島市のかごしま県民交流センターにて「防災気象講演会」(主催:鹿児島地方気象台・鹿児島県)が開催され、県内の市町村の防災担当者や一般の方々など約350名が参加しました。
この講演会は、20年前に鹿児島市などで起きた『8・6水害』の教訓を踏まえて、防災への意識を高めてもらうために開催されたもので、前福岡管区気象台技術部次長高橋隆三氏が「命を守る防災気象情報~豪雨災害から20年で見えるもの~」、本センターの下川悦郎特任教授が「1993年豪雨災害の特徴と教訓」と題し、講演が行われました。
下川特任教授は講演のなかで、1993年に県内各所で相次いだ一連の土砂災害・水害の特徴とその要因などについて、実例を基に分かり易く説明したうえで、8・6水害をはじめとする災害では、不明者を含む犠牲となった121人のほとんどが土砂災害で亡くなったことから、警戒避難対応の大切さを強調するとともに、避難開始のタイミングの難しさについても注意喚起を行いました。最後に、警戒避難活動は市町村行政と住民の密接な連携のもとで行われて成功するものであり、それには住民の防災への積極的な取組が欠かせないことを述べ、講演を締めくくりました。