第35回鹿大防災セミナー(地域防災教育研究センター主催)を令和5年2月20日(月)にオンラインで開催いたしました。本セミナーには、本学の教職員および学生のほか、学外の国や自治体の職員、教育や建設関係の方々など38名の参加がありました。
地域防災教育研究センター調査研究部門(兼任)の齋田倫範准教授(理工学域工学系)の司会進行で二つの講演が始まりました。
まず、本センター地域連携部門(兼任)の黒光貴峰准教授(法文教育学域教育学系)が、「学校・家庭・地域の防災力の向上に向けた取組」と題して、鹿児島市の要請に応じて行政等と連携し発達段階(小中高校生)に応じた教材「防災ノート」を作成したことや、川内川河川工事事務所と連携し水防災河川学習プログラムを開発し、ともに教育現場で活用されていること、また教育学部での授業に防災専門家を招聘したり、学生を防災教育のワークショップに参加させていることなどを報告した後、防災ノート等の活用がさらに広がってほしいとの想いも述べられました。
講演後、参加者から①災害対策の話題を小中学生に誤解なく伝えるのは難しいのでは、②まずは自然に関心を持ってもらうことも大事との意見などがありました。
続けて、同じく地域連携部門(兼任)の柳田信彦助教(医歯学域医学系)からは、「精神科病院に従事する医療関係者を対象とした防災啓発活動の取組」と題して、東日本大震災による原子力災害で長年入院していた精神科病院から短時間に避難を余儀なくされた患者への聞き取りを通して、災害が起こった後の対応を病院・施設関係者と患者がともに事前にイメージしておくことが大事であると認識したこと、このため、今後、医療・福祉や防災の関係者と意見交換を行うとともに、インタビュー風景をDVD化して様々な病院や施設での啓発につなげていきたいとの想いが述べられました。
講演後、参加者から①鹿児島だけでなく九州全体で考えるべき課題、②患者をどこに動かすか、事前にシステム化しておくことが重要などの意見がありました。
セミナーは、終始、参加者が発言しやすいよう和やかな雰囲気で進行し、また教員免許や学習指導要領、作業療法士の活動についての知識も習得できる機会となりました。
皆さんも、鹿大防災セミナーにぜひ参加してみては!