鹿児島豪雨災害30年シンポジウム~あの大災害を忘れない~を取材しました

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 本年は、1993年(平成5年)に鹿児島県で発生した一連の豪雨災害から30年となることから、行政やメディアなど様々な機関によるシンポジウムやパネル展等が開催されていますが、これには鹿児島大学地域防災教育研究センターの兼務教職員も参画しています。

 その一つ、7月20日(木)にかごしま県民交流センター(鹿児島市)にて開催された「鹿児島豪雨災害30年シンポジウム~あの大災害を忘れない~」を本センター事務局の田代が取材しました。

 このシンポジウムには、本センターの元教員である下川悦郎鹿児島大学名誉教授が講師として、また本センターの兼務教員で地域連携部門長である酒匂一成教授(理工学域工学系)がパネルディスカッションのコーディネーターとして参加しました。

 冒頭、鹿児島県の塩田康一知事から1993年(平成5年)豪雨災害では121名が亡くなられたこと、経験していない若い世代に語り継いでいくことが大事、今回のシンポジウムが豪雨について考えるきっかけになればと挨拶されました。

 それに続き、下川講師による「鹿児島豪雨から30年 対策の現状と課題」と題する講演がありました。

講演では、①1993年(平成5年)に発生した一連の豪雨災害での死者・不明者数121名は、第二次世界大戦後の自然災害による死者・不明者数1,200名超の10%で、いかに大きな災害であったかが分かる、②雨が降り止んだ後に土砂崩れが発生するなど避難解除の難しさがある、③避難を呼びかけたものの大丈夫と考え犠牲になられた例もあると話された後、防災対策はハードとソフトの両輪で取り組む必要があることや、自分は大丈夫と思わないで、正しい知識を持って恐れることが大事と締めくくられました。

 講演に続き、下川先生も参加して酒匂先生のコーディネートのもと、当時を経験された方々等8名(鹿児島地方気象台、鹿児島国道工事事務所、鹿児島県、県防災アドバイザー、鹿児島大学)によるパネルディスカッションが行われ、①あのとき何が起こったか、②これまでどのような対策をしてきたか、③これから何をすべきかをテーマに被災映像や復興映像を見ながら意見交換が行われ、パネラーが当時を振り返り、それぞれの立場で対応した取組や、豪雨災害への思いなどが紹介されました。

 皆さんは異口同音に、①雨の降り方が変わってきており、これまでの常識は通用しない、②気象情報等を自分ごとと受け止めることが30年たった今でも課題、③自分の命は自分で守る、いざという時のために平時からとる行動を確認するといったことを繰り返し広報する必要があると話されていました。

 このシンポジウムは、ハードの整備が進んだ現在でも気象が激化する昨今、自分や家族、仲間を守るために何が必要かを考えさせられるひとときとなりました。

講 演
パネルディスカッション

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