11月18日(土)に谷山校区町内会等連絡協議会が主催する、谷山校区合同防災訓練が谷山小学校にて開催され、風が強く寒い中、大勢の市民の方々が参加されました。当該防災訓練では、鹿児島地域防災教育研究センターの兼務教員である齋田倫範准教授(理工学域工学系)が依頼を受けて講演を行いましたので、報告いたします。
防災訓練では、小学校体育館前の校庭で鹿児島市消防局谷山分遣隊の指導の下、市民が消火訓練を体験し、いざという時の対応を学んでいました。その後、体育館に会場を移し、谷山分遣隊長から、8.6豪雨災害時の経験を踏まえ、①自宅の2階に避難した際に生き残れるよう普段から食料や水などを備蓄して、②ネット等で情報を入手し早めに避難してとの話を聞いた後、毛布での救護訓練も体験し、共助力を養成していました。
引き続き、齋田先生が「谷山と水害」と題して講演を行いました。その中で、①川から溢れた水と土砂によって形成された平らな土地で農業や経済が発展し、今では多くの人が住んでいること、②谷山地区の一部には過去に水田だった地域もあり、住宅等が立ち並ぶ谷山地区も川が溢れることでできた土地ということを忘れないでほしいと話していました。
その後、内水氾濫や外水氾濫について説明を行い、①水害対策は目標となる雨を設定して事業が行われており、それ以上の雨が降ったら氾濫のリスクが極めて高くなること、②大きな水害の際は、垂直避難では安全を十分に確保できない場合もあるので、早めに避難所等に避難することが大事と話していました。気候変動の影響で豪雨災害が激甚化・頻発化するとも言われており、「これまでは大丈夫だったから今回も大丈夫」、「対策が進んで以降は被害がないから大丈夫」といった経験則は通用しないと話し、講演を締めくくりました。
会場のみなさんは、自分たちの住む地域の話題でもあったことから、頷きながら、中にはメモを取られる姿も見受けられるほど熱心に聞いておられました。