梅雨時期を前に、風水害を含めた防災に対する知識を身に付けていただくことにより、地域の防災力を高め、災害による被害を少なくすることを目的として、鹿児島市では、毎年度、各自主防災組織会長や町内会長などを対象に地区別防災研修会を開催しています。
今年度は、現在12地区で開催されていますが、市からの依頼を受けて鹿児島大学地域防災教育研究センターからは、兼務教員の酒匂一成教授(理工学域工学系)、寺本行芳准教授(農水産獣医学域農学系)、柿沼太郎准教授(理工学域工学系)の三名が各地区での講師を分担して務めています。
そのうち5月23日(木)に吉野公民館で開催された研修会を取材しました。
本研修会では、鹿児島市の危機管理課、消防局、地域福祉課のほか、防災関係機関である鹿児島地方気象台、鹿児島県警察も参加され、線状降水帯に関する情報やキキクルの紹介、災害への備え、能登半島地震を踏まえた大規模災害時の避難所運営などについてそれぞれ説明がありました。
鹿児島大学地域防災教育研究センターからは、本センターのセンター長(兼務)である酒匂一成教授が「風水害による土砂災害から身を守る」と題して講話を行いました。
講話では、センターの取組みの紹介からスタートし、①どのような場所で災害は起こるのか、②豪雨時の土砂災害(がけ崩れ、土石流、地滑り)がどのような特徴を持つか、③土砂災害の予兆(がけ崩れの場合、小石がパラパラと落ちてくるなど)を見た時は危機的な状況であること、④土砂災害対策の現況などを紹介した後、かごしまiマップやキキクル、土砂災害警戒情報等を活用した早期避難の重要性を呼びかけていました。
最後に、自宅や職場が土砂災害警戒区域内か、洪水しやすい場所か確認しておくこと、安全な避難経路を確認しておくこと、ハード面も整備されてきているが計画を上回る豪雨の発生も危惧され、土砂災害発生の可能性があるときは早めに避難することを力説したほか、大正大噴火から110年が経過し当時に匹敵するマグマ量が蓄積されていると言われる現在、桜島大噴火にも備えが必要と話していました。