去る11月30日(土)に、南日本リビング新聞社が主催するワークショップが、田上小学校にて、3~6年生の児童11名と保護者、地域のまちづくり協議会の皆さんが参加して開催されました。
このワークショップは、本センター兼務教員(地域連携部門長)の黒光貴峰准教授(法文教育学域教育学系)の監修のもと、鹿児島大学で防災士を取得した学生、教育学部の学生、鹿児島地方気象台、日本赤十字社鹿児島県支部、鹿児島フードコーディネーター「Table of Smile」の方々が講師やスタッフを務めて進められました。
まず、初めに、鹿児島地方気象台の轟日出男要配慮者対策係長が「津波の避難行動を考える」と題して、①日本は世界でも地震の多い地域であること、②海側プレートが沈み込むことで陸側プレートが引き込まれ、限界に達すると陸側プレートが跳ね返ることにより地震が発生する仕組みについて紹介した後、児童がコンビニで買い物中に地震が発生し、時間の経過とともに様々な場面に遭遇した場合、例えば、離れた場所にいる母親から「迎えに行くからそこで待っていなさい」、近所の住民から「ここまで津波が来たことはないから大丈夫」と言われる中で、どう対応するかを考えるグループワークが開催されました。子供たちからは、津波警報等が出たらすぐ避難する、間に合わない場合は近くの高い建物に避難するなどの意見が出ました。東日本大震災時の教訓として、講師は、周囲に注意喚起できるよう大声で叫んで逃げる、また、ここで安心と思わず、さらに高い場所に避難することが大事と話していました。
次に、「災害時の食を考える」というテーマで、まず、学生の指導の下、牛乳パックでのスプーンづくりや、新聞紙での食器づくりに、続いて、鹿児島フードコーディネーター「Table of Smile」代表取締役の杉水流直子様の指導で、ライフラインが止まっている中での食事づくりに、参加者は楽しそうに挑戦していました。
午後は、日本赤十字社鹿児島県支部事業推進課事業推進係長の富滿清悟様の進行で、地域住民4名も参加して、田上小学校周辺の地図を使用して、地域の強み、弱点を理解し、防災意識を高める災害図上訓練(DIG)が実施され、グループごとに、道路や学校、コンビニ、土砂災害が発生しそうな場所など地域の強みや弱点を、また震度6の地震が発生した際、家や周辺で起こるかもしれないことを地図に落とし込み、命を守るために家庭や地域で普段にできることは何かを考えました。
発表では、子供たちから、家庭では、①家具など倒れそうな物を固定する、②非常食を用意しておく、地域では、①防災訓練に参加する、②地域の人との日頃の交流を大切にする などの発表がありました。
最後に、学生の指導による、いざという時に役立つ、①アイテムを入れたポーチづくりや、②緊急時の連絡先などを記載した「まもりんカード」づくりがあり、黒光准教授から「まもりんカード」の保管場所や使い方には気を付けるよう注意があり、一連のワークショップを終えました。
午前10時から17時前まで続いたワークショップでしたが、子供たちは最後まで元気いっぱいで真剣に取り組んでいました。
このワークショップは、翌日、12月1日(日)にも、鹿児島大学教育学部附属小学校で開催されましたが、参加した皆さんが、学んだことを多くの方に伝搬してもらえることを楽しみにしております。