地域防災教育研究センター兼務教員(地域連携部門長)の黒光貴峰准教授(法文教育学域教育学系)が、令和7年1月8日(水)に教育学部にて行われた「住居学概論」の授業に鹿児島地方気象台の白石水害対策気象官及び轟要配慮者対策係長を招き、教員免許資格取得をめざす学生15名を対象に「津波防災ワークショップ」を行いました。
冒頭、動画を用いて津波の発生メカニズム等の基礎知識や、気象庁から発表される津波警報等についての解説が行われ、その中でスマホ等を通じ津波警報以上が発表された場合は高い場所、もし、ない場合は近くの高いビルの高い階を目指して避難する、津波注意報が発表された場合は、海からすぐに離れることが大事との話があり、また地域の災害リスクを把握する手段として、ハザードマップの見方を説明し、その活用を促していました。
次に、学生たちは、4名程度のグループに分かれ、海岸に近いコンビニで買い物中に大きな地震が発生したことを想定し、時間の経過と共に様々な場面に遭遇した場合、例えば、離れた場所にいる母親から「迎えに行くからそこで待っていなさい」、近所の住民から「ここまで津波が来たことはないから大丈夫」と言われる中で、どう対応するかを考え、さらには、どのタイミングで移動を開始するのかを話し合い、学生たちが最適と考える避難経路を地図上に記入していきます。グループワークを終えた学生たちからは、大切なことは、①発生直後に早めの判断と行動をして、自分の命は自分で守ること、②正しい情報を集めて早めに行動すること などの意見発表がありました。
振り返りで、轟係長は、①地震発生時には身を守る行動をとる、②大規模になるほど連絡手段が不通になり双方とも犠牲になりかねないので、各自で高い場所を目指して逃げる、③逃げる際には周囲に津波が来るぞと呼びかけながら逃げることが大事と力説していました。
続いて、50Cmの津波の実験映像や、東日本大震災で実際にあった避難行動をアニメで視聴した後、①ここで大丈夫と思わずさらに高い場所を目指して避難することや、②かねてからどうしたら助かるか考えておくこと、③今後、教員等になられた際には、前回の大雨防災ワークショップで学んだことも含め、生かしてもらいたいとも話していました。
最後に、黒光准教授から、学んだことを自分の力に、そして友達や家族に還元をしてもらいたいと締めくくりました。
今回のワークショップの参加者は、将来、教員など児童・生徒に関わる職業を目指す学生だったこともあり、グループワークでは活発な意見交換がなされ、その真剣さが際立っており、頼もしさを感じました。