第48回鹿大防災セミナーを開催しました

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 2025年8月6日(水)、鹿児島大学地域防災教育研究センター主催の第48回鹿大防災セミナー「土砂災害のしくみと気象情報の利活用」が開催されました。今回のセミナーはオンライン形式で行われ、469名が参加し、本センター長の酒匂一成教授(理工学域工学系)の司会進行のもと、二つの講演が行われました。

 まず、本センター調査研究部門長の寺本行芳教授(農水産獣医学域農学系)が「土砂災害のしくみと対策」と題して、土砂災害をもたらす自然現象や防災対策、防災マップの活用、そして過去の災害の教訓を生かすことの重要性などについての講演を行いました。
 土砂災害をもたらす自然現象に関しては、表層崩壊、深層崩壊、地すべり、土石流について動画や実際の発生事例の写真を示しながら、それぞれの発生のしくみを解説しました。防災対策に関しては、ハード対策(防災施設の設備による対策)とソフト対策(警戒避難体制の整備、適切な開発による対策)についての説明が行われました。防災マップの活用に関しては、マップで自宅周辺の土砂災害の危険性を確認することなどに加え、マップに気づいたことを記入し地域で情報共有してほしいと呼びかけました。
 また、過去の災害から、雨が降り止んでも災害が発生することがあることや、防災対策が講じられていてもその能力を超える規模の災害が発生することがあることを教訓として生かしてほしいとの話がありました。 
 そして最後に、土砂災害を防ぎ、自分や大切な方の命を守るためには、正しい知識を持ち、正しく恐れ、正しく防ぐことが必要と述べられ、講演を終わりました。

 次に、鹿児島地方気象台の立神幸治気象防災情報調整官が「防災気象情報の利活用(大雨に備える)」と題して、鹿児島県の気象災害や大雨の傾向、段階的に発表する防災気象情報などについての講演を行いました。
 鹿児島県の気象災害に関して、昭和20年の枕崎台風から昨年の台風第10号・大雨災害まで、過去に本県で発生した台風・大雨災害について説明がありました。大雨の傾向に関しては、年間発生回数は増加傾向にあり、強度の強い雨ほど増加率が大きいことを指摘されました。
 そして、段階的に発表する防災気象情報に関しては、内閣府が定める警戒レベルに紐づけられた気象台等が発表する情報に対応して住民が取るべき行動について説明があり、例えば、発表中の注意報に「夜間に大雨警報に切り替わる可能性が高い」旨の記載があり、住居が土砂災害警戒区域や川の近くにある場合には早めの避難をお願いしたいと述べられました。
 さらに、最大級の警戒を呼びかける警戒レベル5に相当する「大雨特別警報」の発表は、何らかの災害がすでに発生している可能性が高く、命の危険が迫っているため直ちに身の安全を確保しなければならない状況であることから、大雨特別警報の発表を待つことなく、大雨警報や土砂災害警戒情報等が発表された時点で「キキクル(危険度分布)」なども活用して早めの避難を心がけることが重要であると説明され、講演を終わりました。

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