現在、鹿児島大学地域防災教育研究センターでは、「2025年鹿児島豪雨災害の総合的調査研究に関する調査団」を結成して、霧島市・姶良市を中心に現地調査等を行っております。
去る10月1日(水)には、オンライン形式で中間報告会を開催し、自治体職員や技術士など約60名の方々にご参加いただきました。
報告会では、まず、当調査団長で当センター調査研究部門長の寺本行芳教授(農水産獣医学域農学系)が、調査団を結成した目的や中間報告会の趣旨等について説明いたしました。



次に、引き続き寺本教授から、「土砂災害の実態」について、姶良市や切間氏では降雨規模が大きかったために、堆積岩斜面での表層崩壊や崖錐堆積物の再移動などの減少が発生したことが確認・推察された、との報告がありました。
田上聖人助教(理工学域工学系)からは、「道路被害」について、被害をもたらした降雨は、霧島市溝部の連続雨量が12時間で200㎜であったこと、短時間での強い雨による表面浸食と、岩の亀裂の水圧上昇などが主な崩壊の要因と考えられる、との報告がありました。
肥山浩樹准教授(農水産獣医学域農学系)からは、「耕地関係被害の状況」について、諸規模の災害が広域で多数発生しており、農地や水路は河川や道路と併せた改修が必要である、との報告がありました。
齋田倫範准教授(理工学域工学系)からは、「網掛け側の護岸欠壊に関する流況解析」について、現時点での進捗状況を示し、今後の資料収集と現地調査による河道地形の修正や河床材料の粒度の設定等を経たうえで、護岸欠壊の発生要因の検討を行う、との報告がありました。
長山昭夫助教(理工学域工学系)からは、「集中豪雨後の河口起源流木の輸送・堆積」について、錦江湾を全体的に見ると、潮位だけでは大きな流速は発生しにくく、潮位の流れが遅いため河川流量が流れ場を規定しやすい環境にある、との報告がありました。
そして最後に、佐藤宏之教授(法文教育学域教育学系)からは、「文化遺産防災マップの活用等」について、過去の鹿児島県で発生した災害を地図におとした歴史災害mapを作成し、江戸時代にも網掛け橋や釜生地区で大きな災害が発生しており、同じような場所で同じような災害が繰り返し起きている、歴史災害から学ぶべきことがある、との報告がありました。
当調査団では、今後も調査・研究を継続し、詳細な分析・検討を進めて、最終的な報告を行いたいと考えております。自治体はじめ関係者の皆様には、調査団の活動にご理解、ご協力を賜りますよう、今後ともよろしくお願いいたします。

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