去る9月3日(火)に鹿児島県、鹿児島市及び一般財団法人消防防災科学センターが主催し、鹿児島大学地域防災教育研究センター、公益社団法人鹿児島県栄養士会が共催した「令和6年度 防災啓発研修会~大規模災害から考える自助・共助~」が開催されました。
本研修会は毎年度開催されていますが、今年度は、令和6年能登半島地震、平成30年7月豪雨(西日本豪雨)など、近年多発する大規模災害を振り返り、県民の防災意識の高揚を目的に開催されました。
会場では、自治体職員や企業関係者、住民など多くの方々が参加される中、①災害に備えるための平時の取組、②事前防災における自助・共助・公助の役割 の二つのテーマで講演がありました。
まず、「災害に備えるための平時の取組」については、NPO法人フードバンクかごしま代表理事の原田一世様から、能登半島地震の被災地支援を通じて実感した、日頃からの災害への備えの重要性などについてご講演いただきました。その中で、①備蓄という自身の取組は平時の生活困窮者だけでなく災害時の支援活動にも貢献できると思い活動をつづけたこと、②その活動が東日本大震災だけでなく、熊本地震や能登半島地震でも役立ったこと、③震災時のために、かねてから備蓄の保管や配布方法にルールを決めておくことや、住民同士の顔の見える関係を構築しておくこと、④避難所のスムーズな運営のために、各人が地域で何ができるかを共有しておくこと などを話されました。
続いて、「事前防災における自助・共助・公助の役割」については、(株)EnPal代表取締役で岡山大学大学院環境生命自然科学研究科(博士後期課程)の金藤純子様から、西日本豪雨災害で被災した本人だからこそ伝えられる、想定外の水災害の実態と地域防災の在り方についてご講演いただきました。その中で、①災害時に自宅より高い4階建ての病院に避難し、その後ボートで救出されまでの経緯、②自宅は複数の河川が流れる地域にあるが、災害伝承碑にも気づかず、この地が水害常襲地帯と知らなかったことから、備えのためにも情報収集が必要なこと、③ハードは一定の想定の下に整備されるため、想定を超える雨では機能しない場合があることを自覚しておくこと ④かねてから住民同士の緊密な関係を築くことが災害時の助け合いにつながること などを話されました。
お二人の経験を踏まえたお話だけに説得力があり、真剣にメモを取る姿も多く見受けられました。また、終了後には、会場から、わが地域でも講演してほしいとか、若い人への啓発の在り方はどうしたらよいか、備蓄の方法は などなど多くの質問が出ていました。