いちき串木野市で「地域防災研修会」がありました

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 いちき串木野市において市内に居住する防災士及び防災推進員26名を対象にした地域防災研修会が、令和7年2月22日(土)に同市防災センターで開催されました。

 この活動には、本市から依頼を受けて、鹿児島大学地域防災教育研究センター兼務教員の黒光貴峰准教授(法文教育学域教育学系)と支援スタッフの教育学部学生4名(防災士を含む)、鹿児島地方気象台の轟日出男要配慮者対策係長と長友勝弘地域防災官が参加し、講演及び防災ワークショップ(大雨・津波)が行われましたので、報告いたします。

 まず、黒光准教授が「共助の力を高めるために」をテーマに行った講演では、時間の経過とともに防災意識は薄れ、また頻繁な避難情報等の発信が警戒心の低下を招き避難行動につながりにくくなっているという世論調査の結果を紹介しながら、①災害時には正常性バイアス(自分は大丈夫)や同調性バイアス(周囲の行動に同調)、確証バイアス(期待と反対の情報を軽視する)が働きがちなので、災害はいつでも起こりうるとの意識を持ち、自分や家族を守るためにとるべき行動は何か、また複数の情報源を確認する習慣をつける、②情報を過小評価せず、情報の内容を正しく理解し活用する、③自然は恩恵をもたらす一方で、時に牙をむくことを常に意識し日頃から備えることが重要と話していました。

講演

 次に、轟係長を講師に大雨防災ワークショップを実施するに当たり、事前レクチャーとして、大雨による被害実態(8.6豪雨災害での河川の氾濫、床上浸水など)を動画で紹介した後、大雨から身を守るために、①防災マップ等で地域の危険度(どういった災害が起こりやすいか)を知ることや、②災害から身を守るための知識を持つこと(避難情報が発令された場合や気象台の情報等で危険と判断したら避難、土砂災害警戒情報が発表された場合、どこが危険度が高いかをキキクルで確認など)が大事と話していました。

 その後、学生スタッフもグループに張り付くなどしながら、参加者は7グループに分かれ、自分の居住場所は山の近くか、川の近くか、家族構成はどうなっているかなどの条件設定を行い、大雨に関する防災・気象情報に合わせ、どのような行動をとるべきか、どのようなルートで避難所に向かうべきかなどについて討議しました。終了後、いずれのグループも命を守るためには的確な情報収集と早めの行動・避難が大事と発表していました。最後に、轟係長は、①災害はいつか起こるもの、②自分は大丈夫と思わないで、③自分の命や大切な人の命を守る意識を持ってと呼びかけていました。

 休憩をはさみ、津波から身を守るワークショップに移りました。最初に、津波発生の仕組みや大津波警報等が発表されたことをスマホ、防災行政無線等で入手した場合は高い場所に避難する、津波は繰り返しやってくることなどを学習した後、グループワークに進みました。

 海岸に近いコンビニで買い物中に大きな地震が発生したことを想定し、時間の経過と共に様々な場面に遭遇した場合、どう対応するかを考え、また、どのタイミングで移動を開始するかを話し合い、最適と考える避難経路を地図上に記入していきます。グループワークを終え、①大切な自分の命を守るために目的地の高台に向かって逃げることにしたとか、②最後まで諦めないことが大事などの発表がありました。

 振り返りで轟係長から、地震発生時には落ちてくるものなどから被害を受けないよう姿勢を低くして頭を守る、高台への避難に当たり「津波が来るぞ」と叫びながら避難することが大事との話がありました。

 4時間ほどの長時間の研修会でしたが、防災意識の高い地域リーダーのみなさんが熱心に討議され、議論が白熱している姿を頼もしく感じ、印象に残る研修会となりました。

事前レクチャー(災害から身を守るため)
グループ同士で発表(大雨防災ワークショップ)
津波防災ワークショップ(グループワーク)


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