大雨防災ワークショップが教育学部でありました

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 地域防災教育研究センター兼務教員(地域連携部門長)の黒光貴峰准教授(法文教育学域教育学系)が、令和6年12月11日(水)に教育学部にて行われた「住居学概論」の授業に鹿児島地方気象台の轟要配慮者対策係長及び梅山地域防災係長を招き、教員免許資格取得をめざす学生21名を対象に「大雨防災ワークショップ」を行いました。
 本ワークショップは、児童・生徒から地域住民等までの幅広い年齢層を対象に、防災知識・意識の向上を目的として開催されているものです。

 冒頭、「大雨によりどのような災害が起こるのか」について、平成5年に鹿児島市にも被害をもたらした「8・6豪雨災害」の映像を題材とし、市内で多数発生したがけ崩れ、河川が相次いで氾濫した様子、濁った水での冠水や川のように水が早く流れている道路などが紹介され、土砂災害・洪水害・浸水害について学びました。

 また、災害から身を守るためには、①地域の災害リスク(危険度)を知ること、②災害から身を守るための知識を持つことが大事として、ハザードマップの活用を促したほか、警戒レベルと気象台から発表する防災気象情報や避難行動についても説明があり、特に「土砂災害や浸水害が想定されている災害リスクのある地域に住んでいる場合には、警戒レベル4までに避難を完了してください」と呼びかけていました。

 その後、グループワークが始まり、学生は5グループに分かれて、自分の居住場所は山の近くか、川の近くか、どんな建物に住んでいるか、家族構成はどうなっているかなどの条件設定を行い、ハザードマップで地域の災害リスクを把握しながら、気象台から段階的に発表される防災気象情報に応じて、どのような行動をとるべきか、どのようなルートで避難所に向かうべきかなどについて真剣に討議していました。

 討論を終えグループごとに、居住条件や家族構成などを踏まえた防災気象情報に応じた避難行動について発表や意見交換が行われ、普段からの備えや早めの避難行動、非常用持ち出し品の準備や確認、ハザードマップで避難経路を確認しておくことなどが複数のグループから発表されたほか、「気象状況の悪化がいつまで続くのかをスマートフォンなどで情報を入手することが大事」という、数日にわたる避難をも考慮した意見もありました。

レクチャーの様子
グループワークの様子

 轟要配慮者対策係長は「災害が想定されているような危険な場所に住んでいる場合には、お住いの市町村から発令される避難情報を基に速やかに避難していだきたい。発令されていない場合でも、もし自らが危険だと判断した場合には気象台の防災気象情報を参考に自主避難を行ってほしい」こと、心構えとして①災害はいつか起こるものと思って普段から備える、②自分は大丈夫と思っていると、避難が遅くなるので思わないようにする、③自分の命は自分で守る、大切な人の命も守るという意識を持ち避難する際は家族や近所にも声をかけることが必要と話していました。

 最後に、黒光貴峰准教授は、気象台は住民の安心安全のために昼夜を問わず、気象の観測や予報、火山の業務を行っているほか、今回の様に防災に関する普及啓発の業務も行っていることを紹介した後、ここで学んだことを家族など多くの人に還元してほしいと結び、ワークショップを終了しました。

 教育学部では平成29年度から、学生を対象とした大雨防災ワークショップや津波防災ワークショップに継続して取り組んでいます。このワークショップを受講した学生は、気象台と連携した児童・生徒を対象としたイベントでファシリテータやサポートとして活躍しています。これも、教育学部と気象台が継続して取り組んだ成果だと思っています。

 センターとしては、今後とも、鹿児島地方気象台と連携し、防災の取組を進めてまいります。

発表の様子
黒光准教授による講評


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