医学部保健学科看護学専攻にて開講している授業「地域・在宅看護学 在宅ケア 災害対策と危機管理 演習」において、医療的ケア児やALS患者を抱える家族などの大雨時の避難の在り方について考えるワークショップが、医歯学域医学系の日隈利香助教(当センター兼務教員)の指導のもと、当センターと包括連携協定を締結している鹿児島地方気象台と連携し、看護学専攻の3年生80名が参加して、令和7年7月28日(月)に行われました。
まず、学生によるグループワークを始める前に、鹿児島地方気象台の轟日出男要配慮者対策係長から、近年の大雨災害の特徴や大雨災害から身を守るために必要なことなどについて、被災映像等も用いながら説明がありました。
近年の大雨災害の特徴としては、局地化、集中化、激甚化、頻発化が挙げられ、(1)急な大雨で川の水が増える場合があること、(2)長時間大雨が降ると川の水があふれることもあり、子どもで足首、大人で膝まで浸かれば動き辛くなること、(3)大雨によって建物が水に浸かってしまうこともあり、早く部屋を出なければ建物内での移動もできなくなること、(4)土石流の速度は時速20~40kmであり、発生に気づいた時に逃げても間に合わないことなどの話がありました。
また、大雨災害から身を守るためには、(1)ハザードマップの活用等により地域の災害リスク(危険度)を知ること、(2)気象台から段階的に発表される防災気象情報の意味など災害から身を守るための知識を持つことが必要などの話があり、大雨災害の危険度分布がリアルタイムでわかる「キキクル」の活用を呼び掛けていました。

その後、学生に提示されていた5類型の10組(医療的ケア児のいる家族やALS患者のいる家族など5類型を前提に、居住地域が浸水予想地区と土砂災害発生想定地区の2分類)に分かれて、災害に備えて平常時から準備する物や避難のタイミング、避難場所、避難時に注意すること、そして、災害から身を守るためにどのような支援が必要か話し合い、そのように考えた理由も含め、各グループから発表がありました。参加者は、これまで大学で学ばれた知識をもとに熱心に討議されていました。


最後に参加者代表から、家族の状態や地理的条件などによっては、避難所への避難ではなく、自宅内でのより安全な場所への避難という選択肢があることを学んだとの発言がありました。
センターとしては、今後とも、鹿児島地方気象台と連携し、防災の取組を進めてまいります。


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