鹿児島市では、地域の安全確保に関する自主的な活動を推進することにより、市民が安心して暮らすことのできる安全なまちづくりに資するため、「安心安全推進員」制度を設けており、「鹿児島市安心安全アカデミーマスターコース」修了者中、希望者を市長が委嘱しています。
鹿児島市安心安全推進員連絡協議会は会員数137名で、安心安全推進員同士の情報交換や連携、各種研修の実施などを目的に設立されており、去る9月7日(日)に実施された年1回の全体研修会では、鹿児島大学地域防災教育研究センター長の酒匂一成教授(理工学域工学系)が、『豪雨と地震による土砂災害』の演題で講演を行いました。
講演では、まず斜面が崩れることは岩石の循環の一部であって自然な現象であり、崩れた先に人が生活して財産や生命が奪われると災害となるので、危険なところに住まないことが重要であり、自分が住んでいるところがどういうところか知っておかなければならないとの話がありました。また気象の面からも、鹿児島は全国平均の1.5倍の雨が降るが、地形によっては被害が少なく済む場所もあり、自分が住んでいる土地の特徴を把握する必要があるとの話がありました。
次に、土砂災害の種類についてはがけ崩れ、土石流、地すべりがあり、特に土石流は密度が水の2.6倍の泥水が時速30~40kmで流れてくるので、気づいてからでは逃げられず、その他の土砂災害も含め予兆を見てからでは間に合わないので、その前に逃げるよう実際の土砂災害の映像を交えながら呼びかけました。
また土砂災害対策としては、砂防工事や地すべり防止工事、急傾斜地崩壊防止工事のハード対策があるが、危険箇所が全国で約130万カ所あり、1カ所当たり多額の工事費がかかり、工事が終わるまでは警戒避難体制の整備や開発行為の規制などソフト対策に取り組む必要があること、平成5年の8・6災害から30年以上経過し、当時の状況を若い年代が知らず、どう伝えるかが重要であること、同災害後のハード面による対策もなされ、8・6災害並み豪雨は耐えているが、計画を上回る豪雨発生の可能性もあり、自分の住んでいる場所、働いている場所が土砂災害警戒区域に含まれていないか、洪水が発生しやすい場所ではないかを確認しておくことが重要である、との話がありました。
さらに、地震・津波については、津波の速さは時速36kmもあるので、とにかく早く高いところに避難すること、特に南海トラフ巨大地震で今後30年以内に震度6以上の揺れに見舞われる確率は隣県の宮崎で40%以上であり、想定では鹿児島市には30分以内に高さ4mの津波が押し寄せることとなっており、早く3階以上に避難するよう呼びかけていました。



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