令和7年7月27日(日)、「志布志金剛寺の古いフスマから歴史を取り出そうワークショップ」が、金剛寺、鹿児島歴史資料防災ネットワーク、宮崎歴史資料防災ネットワークの主催、志布志市教育委員会の共催により、志布志地区公民館分室で開催され、大学生や地元の方など30名近くの参加がありました。
このワークショップは、災害時、被災した家屋から運び出される災害廃棄物のなかに、「ふるさとの記憶」の復元や復興に大きな力となる歴史資料が含まれていることがあることから、こうした資料を保全する機運の醸成を促すため、襖(フスマ)から歴史を取り出し、復元する作業を体験してもらうために開催されました。
当日は、ワークショップを始めるに当たり、鹿児島歴史資料防災ネットワークの代表である、鹿児島大学法文教育学域法文学系の丹羽謙治教授から、今回のワークショップに協力いただいた浄土真宗の古刹である金剛寺の襖には、補強のために廃棄文書が何層にも張り重ねられており、その廃棄されたものに価値がない訳ではなく、現在の私たちにとっては貴重な資料(古文書)であるとの話があり、これらを保全するための作業内容について説明がありました。

参加者は4つのグループに分かれ、作業を開始しました。何層にも張り重ねられた古く薄い和紙が破損しないよう、竹串などを使って丁寧に剝がしていく作業に苦労していましたが、下張りされていた紙が全面剥がれたときの達成感や、さらにその下に張られていた古文書の数の多さに歓声が上がっていました。


参加者の皆さんは、本ワークショップを通して、貴重な「ふるさとの記憶」が襖(フスマ)のなかに残されていることを実感された様子でした。
今後、当センターの兼務教員である佐藤宏之教授(法文教育学域教育学系)が、「「ふるさとの記憶」を災害から守り、復元するための歴史実践に関する研究」として、ワークショップ参加者の歴史意識の変容について調査・分析を行うこととしています。



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