2025年12月21日(日)、鹿児島大学稲盛会館キミ&ケサメモリアルホールにて、鹿児島大学地域防災教育研究センター主催により、令和7年度レジリエント社会・地域共創シンポジウム「大規模火山噴火における災害医療の課題解決に向けて~多職種連携に挑む~」を開催しました。
当日は、会場とオンラインのハイブリッド形式で実施され、県内外から自治体関係者や医療関係者、学生など防災に関心のある方々約230人が参加しました。
開会にあたり、本学の井戸章雄学長より挨拶があり、続いて一般社団法人国立大学協会の林佳世子専務理事より来賓挨拶が行われました。


第1部では、はじめに、本センター兼務教員である井村隆介准教授(総合教育機構共通教育センター)から、「プロローグ―火山噴火災害に備える―」と題し、規模の大きな噴火では、人的な被害が多くなるだけでなく、ライフラインを含めた日常が周辺地域で失われることや、一過性が強い他の自然災害とは全く異なる対応が必要との話がありました。
鹿児島市立病院救命救急センター長である吉原秀明様からは、「火山災害における医療支援体制~鹿児島県DMATの取組~」と題し、大量降灰堆積地域での支援は困難であることから、鹿児島県の医療従事者としては、避難開始となるレベル4となった時点からDMAT(災害派遣医療チーム)の支援が始まることが理想であると考えているとの話がありました。
鹿児島大学病院精神科認定看護師である吉井洋之様からは、「災害時のメンタルヘルス支援~DPATの取組~」と題し、DPATとは、自然災害等の集団災害の後、被災地域に入り、精神科医療および精神保健活動の支援を行う専門チームであり、心理的応急措置の一つとして、被災者を必要な支援や人につなぐことで自立を支えているとの話がありました。
鹿児島県災害リハビリテーション推進協議会(鹿児島JRAT)事務局の梅本昭英様からは、「災害時のリハビリテーション支援活動~鹿児島JRATの取り組み~」と題し、災害は、被災者の生活機能を破壊し、参加・活動の場を奪うことで心身機能の低下(生活不活発病)を引き起こすことから、災害時における生活不活発病とそれに伴う災害関連疾患の予防と対策および避難所生活環境の改善や工夫が必要であるとの話がありました。
鹿児島県薬剤師会常務理事で災害対策委員会副委員長である田中孝明様からは、「災害時における薬剤師の支援活動とその体制~能登半島地震の経験と展望~」と題し、能登半島地震では救護所での調剤や服薬指導、避難所の環境衛生管理等(消毒剤の調整や二酸化炭素濃度測定など)の支援を行ったこと、今後は災害薬事コーディネーターが供給網を統括し、行政等と連携することで、県民に医薬品を確実に途切れなく届ける体制を目指すとの話がありました。
公益社団法人鹿児島県栄養士会理事でJDA-DAT鹿児島(鹿児島県栄養士会災害支援チーム)統括リーダーである山下雅世様からは、「鹿児島県の管理栄養士による災害時の栄養支援活動」と題し、避難生活が長期化する場合のカロリー過多・栄養不足による健康二次被害を防ぐためには、専門家による栄養・食支援が欠かせないとの話がありました。
鹿児島県保健福祉部健康増進課技術補佐である上村香代様からは、「災害時の保健師活動~平時の備えと災害対応~」と題し、災害はいつどこで起きてもおかしくないことから、平時から災害に備えた準備、確認、訓練を繰り返し行い、災害時の保健活動遂行能力を上げていくことが重要であるとの話がありました。
第2部のパネルディスカッションでは、本センター防災教育部門長の松成裕子教授(医歯学域医学系)がコーディネーターを務め、「多職種連携に挑む」をテーマに、医療関係の講演者6名をパネリストに、多職種連携を推進するためのポイントについて議論されました。参加者からは、避難所での要配慮者支援の留意点、隣県との連携の現状、火山噴火への備えで特に気を付けることなど、多くの質問が寄せられ、講演者らが回答しました。


閉会にあたり、本学の宮本篤理事(企画・社会連携担当)より、本シンポジウムにより各専門分野の方々が現場で直面する課題とその解決に向けた多様な視点を共有できたとの締めくくりの挨拶がありました。
この他、会場では、井村准教授がAIによりカラー化した桜島大正噴火関連の写真展示、松成教授が制作したVRでの降灰体験、聴覚障害者等支援ツールの展示、鹿児島県によるスターリンクおよび原子力防災アプリの紹介、鹿児島市が作成した桜島火山防災リーフレットの配布等が行われ、多くの方々がご覧になりました。



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