第49回鹿大防災セミナーを開催しました


  1. お知らせ
  2. 最新情報
  3. 第49回鹿大防災セミナーを開催しました

  2025年9月24日(水)、鹿児島大学地域防災教育研究センター主催の第49回鹿大防災セミナー「河川災害のしくみと防災教育」が開催されました。今回のセミナーはオンライン形式で行われ、541名が参加し、本センター防災教育部門長の松成裕子教授(医歯学域医学系)の司会進行のもと、二つの講演が行われました。

 最初に、本センター運営委員の齋田倫範准教授(理工学域工学系)が「河川災害のしくみと対策」と題して、河川の基礎知識、および河川の氾濫とその対策などについて講演を行いました。

 齋田准教授からは、日本では、沖積平野という洪水のリスクのある土地に多くの人が住んでいるとの指摘がありました。また、地盤の水分量が多いと、土砂災害だけでなく河川の氾濫のリスクも上がるとの話がありました。さらに、越水や破堤によって人が生活している領域に河川水が流れ込む「外水氾濫」について、氾濫した大量の河川水が川のように住宅地を流れている動画を示しながら、住民の方々にも外水氾濫の恐ろしさをしっかり認識してもらいたいと訴え、堤防を高くすることで問題は解決すると一般の方は思われるかもしれないが、万が一の時に水の勢いが強くなり被害が大きくなるので、できるだけ避けるべきとの話がありました。
 避難については、そのタイミングが難しく、気づいたときには手遅れということもあるので早めの避難をお願いしたいと話されて、齋田准教授の講演は終わりました。

 次に、本センター地域連携部門長の黒光貴峰教授(法文教育学域教育学系)が、九州地方整備局川内川河川事務所の﨑山浩考様をゲストに迎え、「小学校のタブレット授業に対応した水防災河川学習プログラムの開発」と題して講演を行いました。

 まず、黒光教授から、防災教育プログラムの開発にあたっては、①教育現場に新たな負担をかけずに、今ある教育課程(時間割)で実施できること、②単発の取り組みで終わるのではなく、継続して実施できること、③自然災害の怖さだけでなく、自然の恵み、すばらしさを感じられるようにすることを重視しているとの話がありました。

 﨑山様からは、川内川河川事務所では、平成18年7月の川内川出水を受け、流域の防災力向上のために、教育機関と自治体、地域が更に協働し、今後地域を支えていく子供たちを地域防災力の核となる人材として育成していくことが重要であると考え、平成25年度に「川内川水防災河川学習プログラム」を作成し、川内川流域の自治体に展開してきたことや、令和5年度からは、GIGAスクール構想に伴う教育現場の変化に対応するため、ICT技術を用いた学習教材開発の検討を進め、今年度から薩摩川内市の各小学校に展開していること、今後他の自治体の学習プログラムを開発していき、川内川流域の防災力向上を図ろうとしていることなどを、授業で用いるタブレットの画面を交えながら説明されました。
 なお、黒光教授は、平成25年から現在まで、同プログラムの開発・普及に関わっています。

メルマガ登録しませんか!

災害に関する役立つ情報を配信!
セミナーやシンポジウムの
情報もお届けします。

お電話でのお問い合わせ

099-285-7234

受付時間:9:00~17:00
※土日祝を除く


PAGE TOP